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母のピアノ・・・① [メインテーマ]

私の母のところに、1台のグランドピアノがあります。

MASON & HAMLIN という、もともとはオルガンを製造していたアメリカのメーカーのもので、スタインウェイのように有名ではありませんが、「知られざる名器」ともいわれる物です。

母は、戦争がなければ音大に進んでピアニストを目指していたかもしれない人です。

このMASON & HAMLIN のグランドピアノは母の宝物と言っても良いほど、おそらく戦争中も母を支えてくれていたのではないでしょうか。

しかしそれほどピアノを愛していた母も、私が生まれてからはなぜかピアノを弾くことを封印し、このピアノもほとんど眠ったままになってしまいました。

そのピアノを、ピアニストを目指す、私の友人のお嬢さんに弾いていただく機会に恵まれました。

そのときに母からのメッセージとして配った一文を、2回に分けて紹介します。

  
P1020125.JPG

       

ピアノ【メイソン & ハムリン】について(母による原文のまま)

このグランドピアノ、メイソン ハムリンは、日本に1台しかありません。

今から64年くらい前(昭和19年頃)に私のところに来ました。

それまでは、今の芸大、当時の上野音楽学校ピアノ科の小倉末子先生が持っていらっしゃいました。

私は音楽学校を受験する準備として、小倉先生のところへおけいこに伺うことになっておりました。

ところが小倉先生の急死という悲しいことがあり、先生のお兄様が「誰か大切に使ってくれる人に・・・」ということで、父が譲り受けてくれました。

先生がボストンに留学中、メイソンの人が先生の体格、日本の気候に合わせて作ってくれたこのピアノは、手作りのような丁寧さ、材質もローズウッドでしっかりとしており、ほのかな香りは今でも消えていません。

先生は大切に日本に持ち帰り、当時、宮中での御前演奏にも持っていかれました。

先生はとても美しい方で、手も「日本で一番美しい手」といわれたそうです。

私も大切にして、戦争中もずっと勉強していましたが、戦争に負けて、私の音楽への夢は消えてしまいました。

           続く


エピソードは戦争中から戦後へと続きます。

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コメント 4

わか

嬉しかったことも、
哀しかったことも
すべてしまいこんできたピアノが
新たな弾き手によって、
どんな音を奏でてくれるのか、
ドキドキします。
by わか (2008-08-12 20:05) 

michaela

わかさん、おっしゃるとおり、嬉しかったことも、哀しかったことも、すべてしまいこんできたんでしょうね。
新たな弾き手は若々しく、力強く、新しい息吹を吹き込んでくれました。素敵な演奏でしたよ。
by michaela (2008-08-12 21:19) 

津上智実

初めまして。
この幻のピアノが現存することを知って驚いています。小倉先生のご遺族からは、空襲のためか伝わっていないと伺っておりましたので、本当にうれしい驚きです。写真で拝見すると非常によい状態で大切に守られてきたことがわかります。ありがとうございます。


by 津上智実 (2008-09-07 11:14) 

michaela

津上様。初めまして。ご訪問、コメントありがとうございます。
母はこのピアノを本当に大事に、いとおしんでおります。小倉先生のご遺族と連絡をおとりでしたら、どうぞよろしくお伝えくださいませ。
by michaela (2008-09-07 13:19) 

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